コラム

「どうせムリ」から「できるかもしれない」へ

お子さんの口から、「どうせ自分にはムリだから…」という諦めの言葉を聞いたことはありませんか。

テストの点数がふるわなかったとき。宿題の前でペンが止まってしまったとき。
そんな自信のない表情を見るたび、「本当はもっとできるはずなのに」と、親御さんとしては切なく、歯がゆい気持ちになるものと思います。

実は、この「できない」という思い込みこそが、お子さんの本来の力に強烈なブレーキをかけている最大の原因なのです。

私は以前、中学校の教員として数え切れないほどのテストを作成してきました。
その中で、確信を持って言える事実があります。

それは、全く同じ問題であっても「問題の並べ方」ひとつで、子どもたちが発揮できる力は劇的に変わるということです。

二つのパターンを比べてみましょう。

A) 難易度を考えず、ランダムに問題を並べる

B) 易しい問題から徐々に難しい問題へと並べる

どちらの平均点が高くなるか。間違いなく、B(易から難)のほうが10点前後も高くなります。
出題内容はまったく同じ。違うのは「順番」だけです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。

簡単な問題を解き進めるうちに、子どもの中には小さな「できた!」が積み重なっていきます。一問、また一問と正解するたびに、「解ける」という高揚感が心の中に広がっていきます。
すると、やがて難しい問題に差しかかっても、「さっきまで解けていた自分」がいるため、もうひと踏ん張りの力を引き出すことができるのです。

もちろん、どうしても歯が立たない問題には必ずぶつかります。しかし、成功体験を積み重ねたあとの子どもは、「自分が解ける問題のライン」を一段高く引き直すことができます。

つまり、人間は「できる」と思っているときと「できない」と思っているときで、発揮できる力がまるで違うということです。問題の順番ひとつで、10点もの差がつくのです。

ところが、実際の学校の授業はどうでしょうか。

多くの場合、単元の基本概念を得るためにはある程度の難しさが伴います。つまり、矛盾のない構成になっている教科書は、子どもにとっては難易度順にはなっていないのです。

そのため、ページ順に授業が進んでいくと、多くの子どもたちがつまずくことになります。
その結果、「できない」という無力感が、少しずつ体に染み込んでいくのです。昔から変わらない、教育システムが抱える構造的な問題です。

だからこそ、ライオンズ学習塾はこの「順番の力」を徹底的に再編成しました。

多少困難な問題に直面し、気持ちが後ろ向きになりそうなときでも、「自分なら、できるかもしれない」というメンタルを持ち続けてほしい。 それが私たちの願いであり、指導の絶対的な考えです。

具体的には、次の3つのステップで学習を進めます。

ステップ1——まず「単元の地図」を手に入れる
いきなり問題集は開きません。まずは単元の本質だけを抜き出し、極限まで平易にしたオリジナルの「ライオンズプリント」を使います。「この単元はこういう話なんだな」という全体像(地図)を先に頭に入れることで、その後の問題集へのハードルが劇的に下がります。

ステップ2——「基本」だけを一気に通す
通常の問題集は「基本→標準→応用」がページごとに混在していますが、当塾ではその順番どおりには進めません。まず「基本」だけを、単元の最初から最後まで一気にやり遂げます。ここで「この単元はできる」という自信と土台をつくるのです。

ステップ3——薄皮を重ねるように、フィールドを広げる
基本が完璧になったら、次は「標準」を単元を通して。それが終われば「応用」を通しで行います。同じ単元を、難易度を少しずつ上げながら繰り返します。たとえるなら、薄い紙を一枚一枚重ねていく作業です。一枚は薄くても、ふと振り返ったときには「あれ、自分でも驚くほど高いところまで来ていた」という確かな成長の実感を味わわせます。

 

「今まで届かなかった場所に、自分の力でたどり着けた。」

この経験を何度も重ねた子どもは、本当に見違えるように変わります。
難しい問題を目の前にしたときの言葉が、

「どうせ無理だ」から「やってみたら、できるかもしれない」に

変わっていくのです。

ある心理学の研究で、約1,000人を思春期から成人まで追跡調査したものがあります。その結果、学力の高さに関係なく「やればできる」という体験(自己効力感)を多くしていた子ほど、大人になってからの仕事や家庭の両面でより幸福感を得ていることが分かりました。中学時代に育まれた「自分はやれる」という感覚が、何年も経ったあとの人生を力強く支えていたのです。

結果だけを追いかける学びは、結果が出なければ何も残りません。
それどころか、結果が出なかったときに心まで深く折れてしまう危険があります。

しかし、「できた」を一つずつ積み上げたプロセスは違います。
たとえ最終的な志望校に届かなかったとしても、限界を超えて積み上げた「生きる力」は、お子さんの中に確実に残ります。そして、「うまくいかなかった」という経験すらも、「次はどう工夫すればいいか」に変換できる強靭な心も育っていきます。

どんな結果になっても、決してゼロにはならない。

この塾で手に入れた「あきらめない力」が、お子さんの学力だけでなく、その先の長い人生——進学、就職、仕事、人間関係——のすべてを支え続ける一生を通じた財産になることを、私たちは確信しています。

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