保護者の皆さま、いつもお子さまの学習を支えてくださりありがとうございます。
今年は今までの私の無数の受験指導の中で、最大級に感動した「事件」が起きました。
模試の判定は、最後まで「合格可能性2%」
それは、ある中学3年生の生徒のお話です。
受験直前の1月に受けた模試で、またしても合格可能性が2%でした。さすがの私も絶望感さえおぼえるほどでした。今までの全ての模試で模試で2%。第一希望者の中で毎回最下位だったのです。
この子には、学習面での「重大な特徴」がありました。
- ついさっき説明した内容を、30分後には忘れてしまう。
- 新しい情報が入ると前の情報が押し出されてしまう。
- かんたんな計算の手順や英語の文法が定着しにくい。
- 一方で英文解釈や国語など文脈のあるものは理解できる。
いわば、能力に大きく偏りがあると考えられるのです。
それでも、毎日塾に来た
ところが――この生徒は、そこで折れませんでした。
- 毎日塾に来る
- 一日3〜4時間の学習
- わからないことがあれば、同じ質問でも何度でも聞きに来る
- 成績が上がらない時でも落ち込まない
私は「なぜ、こんなに心が折れないんだろう」と何度も驚かされました。
ここにこそ、この子の最大の長所がありました。 それは“ポジティブな心”です。
直前期にやったことは「しぼって、繰り返す」
直前期、私たちが意識したのは、難しいことを増やすことではありません。
- 理科・社会は、最小限の基本に絞りに絞ったプリントを作り、くり返しました。やる内容を増やすのではなく、その内容を「基本中の基本」に絞りきり、回数を増やしたのです。
- 過去問は6年分取り組みましたが、基本小問が並ぶ「冒頭部分のみ」を中心に何度も回しました。「捨てる勇気」を持ち、取れるべきところを確実に取らせようと考えました。
- 忘れてもいい、同じことでもいいから、何度でも聞きに来ることを約束にしました。「忘れること」に罪悪感を持たせないことで、彼の最大の武器である「モチベーションの維持」をはかろうとしました。
- 好きな英語は「伸ばし切る」と決め、音読を毎日継続しました。この速読英単語による音読は、視覚・聴覚・口の動きをセットにするため、定着を促します。
結果は合格。すべての人を驚かせました
そして迎えた本番。その生徒は見事に、H高への合格を勝ち取りました。
私は、「合格したからえらい」「成績が良いからえらい」とは思いません。価値があるのは、どんなに厳しい状況でも決してくさらず、前を向き続けたその姿勢にあると思うのです。
同時に、私自身も大切なことを教わりました。それは「指導者こそが、最後まであきらめてはいけない」という覚悟です。教える側が信じ抜くことで初めて、奇跡が起こるチャンスは生まれます。
そして一見無謀に見える挑戦を、私はいつも肯定的に捉えています。 なぜなら「挑戦し、うまくいかず何度もくじけそうになりながらも、あきらめず、可能性を探り戦った末の成功体験」は、何物にも代えがたいからです。たとえ結果が伴わなかったとしても、最後までやり切った経験は必ずその子の糧になります。
こんな体験を、伸び盛りでしなやかな心を持つ中学生ができたなら、その後の人生にどんなに大きなインパクトとして残るだろうか――そう思うからです。
もし今、低迷しているとしても、 本人の中に“希望”があるなら、何かが起こります。 それを信じて、私たちは一緒に努力を積み上げていきます。 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。